耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
怜からボウルを受け取った美寧は、泡だて器でそれをぐるぐるとかき混ぜた。すると、サラッとしていた豆乳にだんだんととろみ(・・・)がついていく。

「それくらいで良いですよ」

美寧が泡だて器の手を止めると、怜はボウルの中身を少しだけ小さな耐熱ボウルに取り分ける。

「これをレンジで三十秒くらい温めます」

「私やりたい!」

「では、お願いしますね」

電子レンジの扱いならお手の物だと、意気揚々とレンジに向かう美寧。頭の高い位置で一つに結った髪の先が軽やかに揺れる。怜の切れ長の瞳が自然と緩んだ。

レンジで軽く温められた豆乳の中にゼラチンとハチミツを入れ溶かすと、それをさっきのボウルの中に戻す。そしてさらにその中に水切りをしたヨーグルトを入れた。

「混ぜて貰えますか?」

「うん」

怜からボウルを受け取った美寧は、再びそれを泡だて器でグルグルと混ぜた。

(楽しそうですね)

横目で見下ろすと、美寧は楽しそうに鼻歌を口ずさみながら泡だて器を回している。なんの曲なのかは分からないが、とても楽しいのだということが良く伝わってくる。
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