耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「で?どうだったの?」
「え?」
「仲直り。出来たかしら?」
「なかなおり……」
そう口にした途端、努力して頭から追い出していた怜の顔が浮かんだ。しかも長い睫毛が揺れるのがはっきりと分かるほどのドアップで。
「あららら…くすっ、真っ赤ね。」
一瞬で朱に染まった美寧に、奥さんは笑う。
「その様子だとちゃんと仲直り出来たみたいね、良かったわ。」
片手で頬杖をついて長い髪を垂らしながら微笑ましげにこちらを見る彼女に、美寧は頭を下げた。
「昨日はありがとうございました。」
彼女に話しを聞いてもらったお陰で、美寧の落ち込んでいた気持ちはずいぶん軽くなったのだ。
「たまする恋人との喧嘩もいいものよ。仲直りでより一層仲良くなれるわ。ね、マスター。」
「ああ…そうだな。」
急に話を振られたマスターが複雑そうな顔で頷いている。
「恋人…なんでしょうか、私とれいちゃんは……」
頼りない声でそう言った美寧のことを、二人が一斉に見た。
「「恋人じゃないの?」か?」」
ユニゾンする夫婦の声に、美寧は目をしばたかせる。
「一緒に住んでるんでしょ?」
「はい…。」
「一緒に水族館に行く予定だったよな?」
「はい…。」
夫婦が代わる代わるする問いかけに返事をする。
「恋人じゃないの?」
「……………恋人って、どうやってなるんでしょうか……」
美寧の台詞に二人は絶句した。