耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「いらっしゃい――」
開いた引き戸から顔を出した怜の声を聞いた瞬間、美寧の体から無意識に力が抜ける。ホッと息をついた。
「――ミネ?」
門のところに立っている美寧に気付いた怜に声を掛けられた。
「おかえりなさい。ナギと一緒になったのですね」
怜はすぐ目の前の男性と、門柱の隣に立つ美寧を見比べながら訊ねる。そう聞いた彼は珍しく眼鏡をしているから、自室で仕事をしていたのかもしれない。
美寧と怜の間に立つ形となったその男性は、怜を見た後もう一度美寧の方を振り返り、訝しげに怜に訊ねた。
「拾ってきたのは猫じゃなかったのか?――フジ」