耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「ナギ……いくら何でも俺は高校生には手を出さない」

「てっ、だしっ……」

高柳に高校生に間違えられた時は不満そうな顔をしていた美寧だけれど、怜の発言に一気に顔を赤くした。

「……手を?フジが?このちっこいのに??」

「ちっこっ……!」

遠慮の欠片もない高柳の発言に、今度は違う意味で顔が気色ばむ。高校生だとかちっこいだとか、自分で分かってはいても、他人に指摘されると面白くない。
流石に何か反論しようと美寧が口を開きかけた時、頭を怜の手が優しく撫でた。

「失礼だぞ、ナギ。小さくて可愛いのはミネの最大の魅力だ」

みじんも照れることなくそう言い放った友人を、高柳は唖然とした顔で見つめていたが、少しすると隣に視線を移動させ口を開いた。

「失礼なことを言って悪かったな」

「い、いえっ……」

真面目な顔で頭を下げられて慌てる。両手を顔の前で振りながら美寧が「もういいです」と言うと、高柳が顔を上げた。

「そろそろ乾杯にしようか」という怜の言葉を合図に、三人はビールとジュースの入ったグラスを持ち上げ「乾杯」と声を揃えた。


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