耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
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小さな唇を自分のもので塞ぐ。それは思っていたよりもずっと柔らかく、小さな砂糖菓子のようにとろけるように甘かった。
『子ども扱いしないで』
普段から彼女がよく口にするその台詞を、笑って流せなくなったのはいつからだろう。
表面上はそれまでと変わりなく、『子どもだなんて思ってませんよ』と彼女を宥めるのだけれど、心のどこかで『女扱いされたら困るのは貴女だろう』と言いたい自分がいた。
『屈託のない無邪気な笑顔を曇らせたくない。』
ただその為に、怜は自分の中に芽生えた気持ちに蓋をしてきたのだ。
けれど、小さな唇が甘いことを知ってしまった今、ひとたび外れた箍を締め直すのは難しい。怜はこれまで感じたことがないほどの劣情に揺れていた。
ただ重ね合わせているだけなのに、麻薬のようにもっともっとと欲しがる本能。
これ以上は美寧を怖がらせしまうだろうと理性が警鐘を鳴らすが、美寧の吐息に煽られて、あっけなく本能が勝ってしまう。
口蓋の隙間を割って入ると、より一層濃く甘くなる美寧との口づけに、怜は夢中になった。
長い間飽きることなく甘い蜜を味わって、惜しみながらもその小さな唇を解放すると、美寧はくったりと怜の体に倒れ込んできた。
美寧は全力疾走をした後のように肩を上下させ、荒い息をついている。その白い肌は上気してうっすらと桃色に染まり、まなじりにはうっすらと涙が滲んでいた。
そんな彼女を見下ろしながら、怜は内心で溜め息をついた。
(これで無自覚なのだから、本当に恐ろしいな…俺の子猫は。)
怜と美寧は一緒に暮らしているだけで、恋人でもなんでもない。だから怜は美寧に頬をひっぱたかれてもおかしくないのだ。
なのにその当人ときたら、しどけない姿で怜の腕の中に身を預けてしまっている。
上気している美寧からは、彼女特有の甘く清らかな花の香りする。
いつもより濃く匂い立つその香りに吸い寄せられ、怜はその白いうなじに顔を埋めた。
「れい……ちゃん?」
さっきよりも息が整った美寧が恐る恐る問いかけてくる。少しの間それには応えずに、黙って彼女の肩に額を乗せ、その清廉な香りを味わっていた。
額を乗せた美寧の肩から、彼女の動揺が伝わってきた。
突然のキスからやっと我に返ったのだろう。美寧は身じろぎして怜から離れようする。怜はその小さな体を強く抱きしめたい衝動に駆られた。
一旦抱きしめてしまえば、きっとブレーキをかけることが出来ないだろう。そうなれば美寧をひどく怖がらせてしまう。
キスすら初めてだということは、今しがた確信した。
突然なんの断りもなくキスをしておいてなんだが、これ以上はきっと美寧には受け入れられないことは、怜には分かっている。
今は引くときだろう。
怜は美寧の肩に凭せていた頭をゆっくりと持ち上げた。