耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
しばらくすると少しだけ体を離した祖父が、美寧の顔を覗き込みながら言った。

「それにしても、聡臣が一番残念に思っているだろう。美寧にとても会いたがっていたそうだ」

離れて暮らす兄はいつも美寧に優しい。妹である自分に甘すぎる気もする。けれどそれは、六つ開いた年の差に加えて、会えない時間が長いからかもしれない。

「正月に会ったらたっぷり甘えてやったらいい」

「うん……」

今度は素直に頷いた。

「よし。素直な良い子には、良いものをやろうか」

「よいもの?……なぁに?」

「目を閉じて口を開けてごらん?」

「……こう?」

ギュッと目をつむって口を開ける。
すると口の中に何かがコロンと入れられた。

舌の上に乗せられたそれをゆっくりと転がしてみる。デコボコの舌触り。小さな粒を確かめるように舐めていく。
少ししてから思い切ってそれを奥歯で噛んでみると、カリッと音を立ててすぐに割れた。

「あまぁい」

大きな瞳がきらきら輝く。ぱぁっと明るくなった表情に、榮達もつられるように顔を緩ませる
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