耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
(黙って家を飛び出したって言ったら、れいちゃんなんて言うかな……)
『すぐに家に帰りなさい』
『父親に迷惑をかけてまで、一緒にはいられません』
そう言われたらどうしよう。もし嫌われたら―――
そう考えてしまえば、なかなか口にすることが出来なくなった。
(お父さまは、私のことなんてもう…………)
もう分かっている。父にとって自分は必要のない人間なのだと。
けれど、それでも。父は娘である自分のことを探しているかもしれない。
父がもし本気で探そうと思えば、あっという間に見つかるだろう。父にはその力があるのだから。
頭のどこかでそれが分かっていた。
だから高柳が怜の家を訪れた時、彼の後ろ姿に固まってしまったのだ。
『父の迎えが来たのかも』
反射的にそう思った。
振り向いた高柳の顔にもなんとなく既視感があって、いつどこで会ったのかすれ違ったのか記憶にないけれど、もしかしたら父関係の人かもしれない。そう考えた途端、反射的に逃げ出したくなるほどの不安が襲った。
けれどその不安の中に、 かすかに交じる別の感情。
それは、父が自分のことを探してくれていたのだという、喜び。
まだ完全に見放されたわけではないのだという“希望”。
けれど結局、高柳は怜の友人だった。
怜とは違う種類のイケメン男性。一度見たら忘れられないだろう容姿の彼を、忘れてしまうだろうか。
きっと美寧の不安が呼び起こした勘違いだったのだ。そう考えたらホッとする気持ちと同時に、心の中に隙間風が吹いたような気がした。
不安からくる緊張が解けた後は、来客の高柳と普通に会話することができていた。
けれどそれは、高柳の勤めている会社の名前を知るまでだった。その名を聞いた途端、美寧の体から一気に血の気が引いていった。
ただの偶然なのか、それとも―――
『すぐに家に帰りなさい』
『父親に迷惑をかけてまで、一緒にはいられません』
そう言われたらどうしよう。もし嫌われたら―――
そう考えてしまえば、なかなか口にすることが出来なくなった。
(お父さまは、私のことなんてもう…………)
もう分かっている。父にとって自分は必要のない人間なのだと。
けれど、それでも。父は娘である自分のことを探しているかもしれない。
父がもし本気で探そうと思えば、あっという間に見つかるだろう。父にはその力があるのだから。
頭のどこかでそれが分かっていた。
だから高柳が怜の家を訪れた時、彼の後ろ姿に固まってしまったのだ。
『父の迎えが来たのかも』
反射的にそう思った。
振り向いた高柳の顔にもなんとなく既視感があって、いつどこで会ったのかすれ違ったのか記憶にないけれど、もしかしたら父関係の人かもしれない。そう考えた途端、反射的に逃げ出したくなるほどの不安が襲った。
けれどその不安の中に、 かすかに交じる別の感情。
それは、父が自分のことを探してくれていたのだという、喜び。
まだ完全に見放されたわけではないのだという“希望”。
けれど結局、高柳は怜の友人だった。
怜とは違う種類のイケメン男性。一度見たら忘れられないだろう容姿の彼を、忘れてしまうだろうか。
きっと美寧の不安が呼び起こした勘違いだったのだ。そう考えたらホッとする気持ちと同時に、心の中に隙間風が吹いたような気がした。
不安からくる緊張が解けた後は、来客の高柳と普通に会話することができていた。
けれどそれは、高柳の勤めている会社の名前を知るまでだった。その名を聞いた途端、美寧の体から一気に血の気が引いていった。
ただの偶然なのか、それとも―――