耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

「疲れましたか?」

ふと隣から声をかけられて、美寧の意識が思考の中から戻ってくる。見上げると、切れ長の涼やかな瞳と目が合った。

「大丈夫ですか?痛いところや苦しいところは?」

覗き込まれて、左右に首を振る。
普段あまり表情を変えることのないその瞳には、美寧の様子を探ろうとする気配が滲んでいる。

振っていた首を止めた美寧の額に、怜の手がそっと触れる。
「熱はないようですが――」と言われ、美寧の瞼が突然熱くなった。

繋いでいない方の手を、額に乗せられた怜の手に重ねる。きゅっと指に力を入れると、かすかにピクリと怜の手が反応した。

「ミネ……?」

自分を呼ぶ声はどこまでも優しい。きっと心配させている。
けれど、大きな手が当たっている熱い瞼には、どんどん水気が集まっていき、それを隠すように美寧は額の上の手を握り続ける。

口を開いたら漏れ出るだろう嗚咽を(こら)えようと唇を噛んだ時、突然繋がれていた手がするりと外された。


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