耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「わぁっ、玉子サンドだぁ!」
ダイニングテーブルに並べられた朝食を見て、美寧は感嘆の声を上げた。
「食べられそうですか?」
「うん!もちろん!」
椅子に座りながら美寧は大きく頷いた。
朝七時十分。
少し前に怜に起こされた美寧は、しばらく焦点の合わない瞳でぼんやりとしていたけれど、怜に頭を撫でられながら声をかけられて、やっと目を覚ました。
布団から抜け出せるようになった頃には、怜は先に部屋から出ていて、掛布団を軽く畳んだあと、着替えを済ませ洗面台で顔を洗ってから、ダイニングへとやってきたのだ。
「いただきます!」
両手を合わせてそう言うと、サンドイッチを手に取った。
美寧の小さな手に収まるほど小さなサンドイッチは、食パン一枚の四分の一。綺麗な二等辺三角形になっているその頂点から、パクリとかぶりついた。
「んーーっ!」
きゅっと瞳を瞑りながら感嘆の声を上げる。口の中に物が入っているから開けることが出来ないけれど、精いっぱいの感動を表す。
もぐもぐ、ごくん、と飲み込んでから、今度はちゃんと「おいしい!」と言葉にした。
「良かったです」
「玉子ふわふわっ!しかもちょっとしっとりしてる!半熟だからかなぁ……」
「混ぜる時に少しだけ水を足すんです。そうすると時間がたっても玉子がパサつかずに食べやすいんですよ?」
「え~、そうなんだ!すごいね、れいちゃん!」
「ありがとうございます。おかわりもありますから、どんどん食べてくださいね」
「うん!」
笑顔で頷いた美寧は、手に持った残りのサンドイッチにもう一度かぶりついた。