耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
怜は小刻みに震えるその小さな背中にそっと手を置くと、優しく撫でた。
「遠慮せず思いっきり泣いていいんですよ。それを咎める者はここにはいません。」
怜の言葉に、美寧はとうとう声を上げて泣き始めた。
啼泣が号泣に変わり、それがやっとしゃくり上げるくらいに落ち着いた頃、怜は涙でぐしゃぐしゃになった彼女の顔を、持っていたタオルで拭った。
全力で泣ききった美寧は疲れ果てていて、それに抵抗する気配すらない。
「さぁ、もう少し食べましょう。」
何事も無かったかのように匙を向けられ、今度はためらいなく口を開く。
さっきより少し冷めてしまった雑炊は、なぜかさっきよりもずっと美味しく感じた。