耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
とろりとした温かなものが舌の上に乗せらせる。口から匙がすっと抜かれた。
ふわりと香るのは生姜だろうか。お米の甘みと玉子の旨みが優しい味わいのその雑炊は、美寧がこれまで食べたことのあるものよりも少し粘り気が強い。そのおかげで今の美寧には飲みこみやすい。
量的にはけっして多くはないそれを、美寧は少し時間をかけて噛みながらゆっくりと飲みこんだ。
「おいしい……」
自然とそう呟いた次の瞬間。美寧の両目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
堰を切ったように次から次と溢れ出す涙は、滝のように彼女の頬をすべり落ちていく。
「うっ、うぅ~~っ」
美寧の喉の奥から低く唸るような声が漏れる。布団を握りしめた美寧の手を幾つもの雫が落ちて濡らしていく。堪えようとしても堪えきれない声は嗚咽になった。