耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

美寧がここに留まることになった当初、怜は他の部屋に変えることを美寧に提案したが、美寧はこのままでいいと言った。その代わりに、怜に一つお願いを聞いてもらった。

そんな経緯で仏間は現在美寧の部屋になっているため、仏壇のお世話は美寧の仕事なのだ。
平日は、起床して顔を洗うとすぐに仏壇にお茶やお線香、仏飯を備え、休日には花を活ける。美寧はこの仕事がとても好きだ。

怜の家には庭がある。決して大きくはないそこには、様々な花が植えられていて、季節ごとに目を楽しませてくれる。美寧がここに来た当初満開だった紫陽花はとても綺麗だった。今は、さっき摘んできた千日紅と秋海棠以外にも、ペンタスやアガパンサスが咲き誇っている。

できることなら四季を通してずっとこの庭を見ていたい。

立ち昇る線香の煙の向こうに手を合わせ、瞳を閉じてそう願った。



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