耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

「コーヒーの淹れ方は、マスターが空いている時に教えてくれるの。もっと美味しく淹れられるように頑張るね。」

はにかんだ笑顔を浮かべてそう言いながら美寧はお湯の準備をし始める。怜はそれを横目に見ながらフライパンを火に掛けた。

「紅茶は?どこで覚えたのですか?」

「それはおじいさまのおて――お知り合いが、教えてくれて……」

「そうなのですか。……おじいさま、というと、あの写真の?」

怜の問いに美寧は一拍間を置いて頷く。
怜が言った写真とは、仏壇に飾っている写真のことだ。

美寧がこの家の仏間を自分の部屋として使うことになり、仏壇のお世話を申し出た時、美寧はある“お願い”を怜に頼んだ。
それは美寧が祖父の写真を仏壇の端に置かせてもらう、というものだった。

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