耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「もうっ!」という悔し紛れの台詞と同時に、彼の体を両手で押し返す。
怜の体との距離が出来たことにホッとした時、美寧のつむじに柔らかく温かいものが押し当てられた。
「っ、」
目を見開いた瞬間、ちゅっという音を立ててそれは離れる。
息をのんだまま固まってしまった美寧の髪を、大きな手が優しく撫でる。後頭部から背中にかけてゆっくりと、まるで壊れ物に触れるような手つきで数度撫でると、怜はそっと離れて行った。
「お湯、沸きましたよ。紅茶、お願いしますね、ミネ。」
そう言って、怜は何事も無かったようにフライパンに生地を流し込んだ。
美寧は音を立てないように大きく息を吐くと、ティセットを乗せたトレイをダイニングテーブルに運んで行った。