耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
美寧は息を詰め固まった。
怜は指を組んだ両手の甲に顎を乗せ、覗き込むように美寧を見ている。艶やかなダークブラウンの前髪から覗く瞳はしっとりと甘く煌めき、美寧を見上げる姿は色香に満ち溢れている。
美寧は怜が纏う恐ろしいほどの色香に、目を見開いたまま固まっていた。
「ミネ」
「ぅっ……あ、……ぇっと……」
戸惑う美寧に怜は更に言葉を続ける。
「お詫び、してくれるんですよね?“なんでも”。」
「うぅっ……」
確かに言った。『出来ることなら何でも言って』と。
美寧は誰かに何かを「食べさせる」ことなんてしたことはない。だってそれは“不作法”なことだと教えられてきたから。
何も出来ない赤子のころならいざ知らず、美寧は物心ついたころには、“自分で食べる”ということしかしたことはない。もちろんその逆もしかり。
「ここには誰もいませんよ。俺とあなたしか。」
美寧の心を読んだかのような怜の台詞に、美寧はピクリと肩を跳ねさせる。
視線をうろうろとさまよわせた後、美寧は意を決してフォークとナイフを手に持った。