耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
美寧は自分の髪を乾かすのが苦手だ。猫っ毛でくせ毛な上、腰まである長い髪は、自分で乾かそうとするとすぐに絡まってしまう。そんな美寧の髪は、ここ一か月間ほとんど怜が乾かしているのだった。
熱風に吹かれながら気持ち良さそうに目を細める美寧の姿に、怜は忍び笑いを漏らす。
「———ma minette」
ドライヤーのスイッチを切った怜は、まだ温かい美寧の髪に、そっと口づけを落とす。
「れいちゃん?」
「さ、終わりましたよ。お腹は空いていませんか?ミネ。」
「おなか…」
美寧がそう言いながら自分のお腹を見下ろしたちょうどその時、“ぐ~っ”と大きな音が鳴った。
「くくっ…すぐに夕飯作りますからいい子に待っていてくださいね。」
そう言うと怜は、立ち上がりざまに美寧の頭をグシャグシャと掻きまわしてから、キッチンへと向かって行った。
(また子ども扱い……)
頬を膨らませ不満の表情を浮かべる美寧の顔は、熟れたトマトのように真っ赤だった。