旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「はい、特注かけるのを忘れていたようで……。でも都内の店舗にある在庫でどうにか間に合いそうなので、行ってきます」

「気をつけてね。なにかあったら連絡して」

「ありがとうございます」

先輩にお礼を言って、急いで会社を出た。天気予報通り、雨が強く降る中急いで駅へと向かう。

電車の中で店長から在庫数に余裕がある店舗の情報が送られてきて、それを見ながらはしごしていく。

次第に風も強くなってきて、商品を持って傘をさすことができなくなり、走って最後の店に取りに行った。



「この度は本当に申し訳ありませんでした!」

「いいえ、無事に注文数集められてよかったです」

今日の明日では今から発注をかけても間に合わなかったから、本当に集めることができてよかった。

商品もビニール袋を二重にして運んだから、幸い濡れずに済んだし。

店員から渡されたタオルで濡れた髪を拭きながら、バイヤーとして注意を促した。

「しかし今回は在庫があって助かりましたが、毎回そうとは限りません。今後はこのようなことがないよう、よろしくお願いします」

「……はい、本当にすみませんでした」
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