旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「俊也さんには、愛する女性がいると聞きました。……俊也さんは私に好きになることはできても、愛することはできないと言いました。でも好きになることもできないんじゃないですか?」
心の中に忘れられない人がいるのに、他の人を好きになることなんて私にはできないもの。
「ちゃんと話してください。……私には聞く権利があるはずです」
法律上、私はあなたの妻なのだから。
だけど彼に触れようとした瞬間、大きくその手は払い除けられた。
「勝手に俺の心に入ってこないでくれ」
「……っ」
完全なる拒絶に、涙が零れ落ちた。彼は私を見ることなく俯いたまま。
話してもくれないの? 彼女のことを。俊也さんにとって私は、いったいなんだったんだろう。
やっぱりただ単に、都合のいい結婚相手に過ぎなかった? だったらなぜ、あんなに優しくしてくれたの? 好きだと言ってくれたの?
これ以上俊也さんと一緒にいることに耐えられなくなり、机の上に置いてあったバッグを手にし、私は家を飛び出した。
背後から彼が追ってくる気配はない。それが答えなんだ。
心の中に忘れられない人がいるのに、他の人を好きになることなんて私にはできないもの。
「ちゃんと話してください。……私には聞く権利があるはずです」
法律上、私はあなたの妻なのだから。
だけど彼に触れようとした瞬間、大きくその手は払い除けられた。
「勝手に俺の心に入ってこないでくれ」
「……っ」
完全なる拒絶に、涙が零れ落ちた。彼は私を見ることなく俯いたまま。
話してもくれないの? 彼女のことを。俊也さんにとって私は、いったいなんだったんだろう。
やっぱりただ単に、都合のいい結婚相手に過ぎなかった? だったらなぜ、あんなに優しくしてくれたの? 好きだと言ってくれたの?
これ以上俊也さんと一緒にいることに耐えられなくなり、机の上に置いてあったバッグを手にし、私は家を飛び出した。
背後から彼が追ってくる気配はない。それが答えなんだ。