旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「昴、ちょっと付き合ってほしいところがあるんだ」
「いいけど、どこに行くんだ?」
姫乃にまた明日来ると約束をして病院を後にし、昴に付き合ってもらい向かった先はジュエリー店。
「お、おい俊也。お前まさか……」
店の前で俺に詰め寄る昴の声に被せた。
「あぁ、姫乃との結婚指輪を買いにきた」
「結婚指輪って……お前、一度落ち着け」
俺の両肩を掴み、落ち着くよう言う昴に苛立ちを覚える。
「落ち着いてなんていられねぇだろ!? 姫乃には時間がないんだから!」
怒鳴ると昴はゆっくりと俺の肩から手を離した。
姫乃の脳にできた腫瘍は血管に複雑に絡み合い、手術で完全に取り除くことは難しいと聞いた。
成功したとしても手術のみでの根治は厳しく、放射線や抗がん剤などを用いた治療が必要で、余命半年だとも……。
おじさんとおばさんから、姫乃にはまだ伝えないでほしいと言われ、彼女の前でいつも通り振る舞うのが辛かった。
「信じられるか? 姫乃の余命が半年だなんて」
今日握った姫乃の手は温かかった。笑顔だっていつもと変わらなかった。
「いいけど、どこに行くんだ?」
姫乃にまた明日来ると約束をして病院を後にし、昴に付き合ってもらい向かった先はジュエリー店。
「お、おい俊也。お前まさか……」
店の前で俺に詰め寄る昴の声に被せた。
「あぁ、姫乃との結婚指輪を買いにきた」
「結婚指輪って……お前、一度落ち着け」
俺の両肩を掴み、落ち着くよう言う昴に苛立ちを覚える。
「落ち着いてなんていられねぇだろ!? 姫乃には時間がないんだから!」
怒鳴ると昴はゆっくりと俺の肩から手を離した。
姫乃の脳にできた腫瘍は血管に複雑に絡み合い、手術で完全に取り除くことは難しいと聞いた。
成功したとしても手術のみでの根治は厳しく、放射線や抗がん剤などを用いた治療が必要で、余命半年だとも……。
おじさんとおばさんから、姫乃にはまだ伝えないでほしいと言われ、彼女の前でいつも通り振る舞うのが辛かった。
「信じられるか? 姫乃の余命が半年だなんて」
今日握った姫乃の手は温かかった。笑顔だっていつもと変わらなかった。