旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「俊也の気持ちはわかる。……でも辛いのは俺たちじゃない、姫乃自身だ。それにこれから先のことは、どうなるかわからないだろ? 俺たちはおじさんとおばさんの話を聞きながら、今まで通り姫乃のそばにいよう」
「……あぁ、そうだな」
まだこの先、どうなるかわからない。手術がうまくいき、治療を続ければ根治する可能性だってあるはずだ。
余命宣告を受けたからといって、その期間しか生きられないと決まったわけではないよな。
「今日初めて昴がいてくれて、心からよかったと思うよ」
素直な思いを伝えると、昴は目を丸くさせた後、耳まで真っ赤に染めてそっぽ向いた。
「バーカ、今頃気づいたのか? 俺の存在のありがたみを」
「あぁ」
いつものように昴の肩に腕を回した。
「ありがとうな」
「……おう」
それから昴とふたりで、毎日のように姫乃が入院する病院へ通った。昴が帰った後も、俺は面会時間ギリギリまで姫乃との時間を過ごした。
姫乃は両親から、脳の病気だとだけ聞いたようだ。早く治すと明るく言っていたが、日に日に弱っていく彼女が見て取れて、心は痛むばかり。なにもできない自分の無力さを痛感した。
「……あぁ、そうだな」
まだこの先、どうなるかわからない。手術がうまくいき、治療を続ければ根治する可能性だってあるはずだ。
余命宣告を受けたからといって、その期間しか生きられないと決まったわけではないよな。
「今日初めて昴がいてくれて、心からよかったと思うよ」
素直な思いを伝えると、昴は目を丸くさせた後、耳まで真っ赤に染めてそっぽ向いた。
「バーカ、今頃気づいたのか? 俺の存在のありがたみを」
「あぁ」
いつものように昴の肩に腕を回した。
「ありがとうな」
「……おう」
それから昴とふたりで、毎日のように姫乃が入院する病院へ通った。昴が帰った後も、俺は面会時間ギリギリまで姫乃との時間を過ごした。
姫乃は両親から、脳の病気だとだけ聞いたようだ。早く治すと明るく言っていたが、日に日に弱っていく彼女が見て取れて、心は痛むばかり。なにもできない自分の無力さを痛感した。