旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
姫乃が入院して三週間が過ぎた頃、彼女の口から来週手術することを聞かされた。
「そうか、手術か……」
完全に取り除くことは困難だって言っていたよな? きっと難しい手術になるはず。
不安な気持ちに覆われるが、必死に笑顔を取り繕う。
「大丈夫、きっと成功するよ」
だけど姫乃は表情を曇らせ、ベッドに腰掛けた。
「ねぇ、俊也は私のことを大切に想ってくれている……?」
俺の様子を窺いながら聞いてきた姫乃の隣に腰を下ろし、すぐに答えた。
「当たり前だろ? 世界で一番大切に想ってるよ」
すると彼女は、今にも泣きそうな顔でジッと俺を見つめる。
「だったらお願い。……本当のことを話して。俊也は知ってるんでしょ? 私の病気のことを」
懇願する彼女に、心が大きく揺れた。
姫乃の言う通り、俺は知っている。おじさんとおばさんから逐一報告を受けているから。
でも姫乃には言わないでほしいというのが、彼女のご両親の願いだ。それなのに俺が伝えるわけにはいかない。……でも。
いまだに泣きそうな顔で俺を見つめる姫乃に、ゆらゆらと決心が鈍る。
「そうか、手術か……」
完全に取り除くことは困難だって言っていたよな? きっと難しい手術になるはず。
不安な気持ちに覆われるが、必死に笑顔を取り繕う。
「大丈夫、きっと成功するよ」
だけど姫乃は表情を曇らせ、ベッドに腰掛けた。
「ねぇ、俊也は私のことを大切に想ってくれている……?」
俺の様子を窺いながら聞いてきた姫乃の隣に腰を下ろし、すぐに答えた。
「当たり前だろ? 世界で一番大切に想ってるよ」
すると彼女は、今にも泣きそうな顔でジッと俺を見つめる。
「だったらお願い。……本当のことを話して。俊也は知ってるんでしょ? 私の病気のことを」
懇願する彼女に、心が大きく揺れた。
姫乃の言う通り、俺は知っている。おじさんとおばさんから逐一報告を受けているから。
でも姫乃には言わないでほしいというのが、彼女のご両親の願いだ。それなのに俺が伝えるわけにはいかない。……でも。
いまだに泣きそうな顔で俺を見つめる姫乃に、ゆらゆらと決心が鈍る。