旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「はい、私もそう思います」
彼の下で働いている社員は皆、同じことを思っているんじゃないかな。
「姫野さんと門脇部長って、どことなく似ている気がするの。……あ、仕事に対する姿勢や性格がって意味だからね!」
必死に弁解する織田先輩に笑いをこらえながら「わかってます」と言うと、彼女は続けた。
「姫野さんと門脇部長なら、この先の長い人生なにがあっても乗り越えていけると思う。お互い支え合っていけそうだもの。……本当におめでとう」
「……ありがとうございます」
織田先輩に『おめでとう』と言ってもらえて嬉しいのに、心から喜べない。
それはきっと、私と門脇部長の結婚が普通じゃないからだ。
織田先輩と旦那様は、高校時代の同級生で再会してから愛を育み、結婚に至ったと結婚式で知った。
ふたりは本当にお互い愛し合っているのが、見ているだけで伝わってきた素敵な結婚式だった。
大抵の夫婦はそうやって結婚するものだよね。でも私たちは違う。結婚してからだって夫婦としての関係を築けていけるはず。そう思っていたけれど、実際に入籍の日が近づくたびに不安にもなっていた。
彼の下で働いている社員は皆、同じことを思っているんじゃないかな。
「姫野さんと門脇部長って、どことなく似ている気がするの。……あ、仕事に対する姿勢や性格がって意味だからね!」
必死に弁解する織田先輩に笑いをこらえながら「わかってます」と言うと、彼女は続けた。
「姫野さんと門脇部長なら、この先の長い人生なにがあっても乗り越えていけると思う。お互い支え合っていけそうだもの。……本当におめでとう」
「……ありがとうございます」
織田先輩に『おめでとう』と言ってもらえて嬉しいのに、心から喜べない。
それはきっと、私と門脇部長の結婚が普通じゃないからだ。
織田先輩と旦那様は、高校時代の同級生で再会してから愛を育み、結婚に至ったと結婚式で知った。
ふたりは本当にお互い愛し合っているのが、見ているだけで伝わってきた素敵な結婚式だった。
大抵の夫婦はそうやって結婚するものだよね。でも私たちは違う。結婚してからだって夫婦としての関係を築けていけるはず。そう思っていたけれど、実際に入籍の日が近づくたびに不安にもなっていた。