旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
撮影の翌日は、彼の祖母が入院する病院へ向かった。
脩也さんのお祖母さんは以前から内臓の病気を患い、挙式の三ヶ月ほど前からは入退院を繰り返す日々を送り続けてる。
病室へ入ると彼女は鼻から酸素を吸入していて、これが無いとまともに会話も出来ないくらいに呼吸が苦しいのよ…と恨めしそうにチューブを指した。
「脩也がようやく結婚すると聞いたのに、お式にも参列出来なくて残念でした」
ガッカリしたように話す彼女はとても病人とは思えないくらいにピンと背筋を伸ばして矍鑠としている。
その様子を見て、彼は「相変わらず口だけは達者だね」と微笑み、私を紹介して庭のことも教えた。
「お祖母さん達が大切にしていた月詠みの庭を未彩が以前のように綺麗にしてくれたよ。庭木にも手を入れてくれて、見違えるように変わったんだ」
今度写真を撮って見せるね、と約束してる。
それを聞くとお祖母さんは目を細め、薄っすらと涙を浮かべて頷いた。
その姿を見て私は祖母を思い出し、きゅっ…と胸を詰まらせて病室を出た。
廊下を歩きながら、数年前、大病を患った祖母のことを考えてたからだろう。
脩也さんのお祖母さんは以前から内臓の病気を患い、挙式の三ヶ月ほど前からは入退院を繰り返す日々を送り続けてる。
病室へ入ると彼女は鼻から酸素を吸入していて、これが無いとまともに会話も出来ないくらいに呼吸が苦しいのよ…と恨めしそうにチューブを指した。
「脩也がようやく結婚すると聞いたのに、お式にも参列出来なくて残念でした」
ガッカリしたように話す彼女はとても病人とは思えないくらいにピンと背筋を伸ばして矍鑠としている。
その様子を見て、彼は「相変わらず口だけは達者だね」と微笑み、私を紹介して庭のことも教えた。
「お祖母さん達が大切にしていた月詠みの庭を未彩が以前のように綺麗にしてくれたよ。庭木にも手を入れてくれて、見違えるように変わったんだ」
今度写真を撮って見せるね、と約束してる。
それを聞くとお祖母さんは目を細め、薄っすらと涙を浮かべて頷いた。
その姿を見て私は祖母を思い出し、きゅっ…と胸を詰まらせて病室を出た。
廊下を歩きながら、数年前、大病を患った祖母のことを考えてたからだろう。