次期院長の強引なとろ甘求婚
不意打ちで、髪を上げて出していたうなじにキスを落とされる。
自然に「あっ」とそれらしい声が出てきてしまい、それがバスルームにやけに響いて聞こえた。
さっきまでの行為のせいで、体が未だ敏感になっているせいだ。
「せっかく真面目な話をしようとしてるのに、どうして煽るかな」
「あっ、煽ってなんか! それは、樹さんが触ってくるからで――」
肩越しに顔を向けていた私を簡単に自分へと反転させ、樹さんは言い返す唇を口付けで塞ぐ。
「ふっ、んっ……」
また力が抜けていってしまう蕩けるようなキスに酔わされ、自ら彼の首に腕を回していた。
「未久……もうずっと、離さないよ」
耳元で優しい囁きを聞き、胸の中が温かく満たされていくのを感じる。
「はい……。樹さん、好き……大好き」
大好きな花に囲まれ、大好きな人に身も心も包まれる幸せを噛みしめながら、高鳴る鼓動が心地よく響いていた。
Fin...


