次期院長の強引なとろ甘求婚
「どうして謝るの。俺は可愛いなぁと思って見てただけなんだから」
「えっ、なっ……やめてください、そういう冗談は」
「冗談なんかじゃないよ。花の話をしている時、いつも目がキラキラして楽しそうで。俺まで幸せな気分になってくる」
そんな風に言われてしまうと、返す言葉が見つからない。
顔に熱が集まってくるのを感じ、見なくても絶対赤いとわかる赤面を隠すように顔を俯けた。
「すぐ赤くなるのも可愛い」
「っ?! もう、からかわないでください!」
「ごめん。でも、本当にからかってるつもりはないんだからね?」
くすくすと肩を揺らす三角先生はなんだかとても楽しそうで、むくれることもできなくなる。
「とか言いながら、笑ってるじゃないですか!」
「ごめんごめん、だから、未久さんが可愛くて」
「もう、この話はおしまいです!」
未だ笑いをくすぶらせている三角先生をおいて、ひとりバラの園へと足を踏み入れる。
まずバラの回廊が出迎えてくれ、入ってすぐに頭上を見上げて足を止めた。