神在(いず)る大陸の物語【月闇の戦記】<邂逅の書>
「おやめください!!殿下!内親王殿下!」
もう聞きなれた少年の声と共に、まるで王宮の扉を蹴破るように、紺碧色の髪と瞳を持つ美しきリタ・メタリカの姫が一振りの剣をその手に構え、鋭い表情をしながらこともあろうにその場に駆け込んできたのである。
虚空に身を漂わせたゼラキエルの冷酷な緑玉の瞳が、ちらりと美しきリタ・メタリカの姫を見る。
「・・・・ほう、まさか、自らおいでとは・・・そなたが、【鍵】か?」
ゼラキエルを取り囲んだ黒炎が一際激しい火の粉を上げた。
そんな魔王の不気味な視線には気付かぬのか、リタ・メタリカの美しき姫リーヤティアは、その紺碧色の真っ直ぐで強い視線で、ロータスの雅な魔法使いの名を呼んだ。
「スターレット!!」
「!?」
そんな彼女の声に驚愕して、スターレットは一瞬大きく目を見開いた。
同時に、その隙を見逃さなかったゼラキエルの掌から、黒炎を宿した獅子の顔が、牙を向いてスターレットへと解き放たれる。
闇に満たされた空間を二つに引き裂いて、魔の牙を剥き出しにした黒炎の魔獣がスターレットの四肢を引き裂かんと迫り来る。
「なに!?」
次の瞬間、金色と黒が入り混じる激しい閃光がその場で弾け、寸前の所で、スターレットを取り囲んだ金色の結界が炎の獅子を一瞬にして弾き返したのだった。
「おい、何やってんだよ?お前らしくもない」
気付けば、いつの間にやら彼の前方に、朱色の衣を翻し金色の大剣を構えた姿で立っていた長身の青年が、広い肩越しにちらりと、その燃えるような緑玉の瞳で、渋い顔つきをするスターレットを見やっていたのである。
「すまん、ジェスター」
僅かばかり苦笑して、スターレットは、朱色の衣を纏う旧知の友の背中を緩やかに見た。
そんな彼の後方に、鋼の剣を構えたリタ・メタリカの美しき姫リーヤティアが走り込んで来る。
「来てはなりません!リーヤ姫!!」
スターレットの声と同時に、恐れも知らずその場に飛び込んで来たリーヤの周囲を蒼き疾風が取り囲んだ。
彼女の動きを阻んだ疾風の壁の向こうで、艶やかな紺碧の髪を乱舞させて、気強い表情のまま怒ったように彼女は叫んだ。
もう聞きなれた少年の声と共に、まるで王宮の扉を蹴破るように、紺碧色の髪と瞳を持つ美しきリタ・メタリカの姫が一振りの剣をその手に構え、鋭い表情をしながらこともあろうにその場に駆け込んできたのである。
虚空に身を漂わせたゼラキエルの冷酷な緑玉の瞳が、ちらりと美しきリタ・メタリカの姫を見る。
「・・・・ほう、まさか、自らおいでとは・・・そなたが、【鍵】か?」
ゼラキエルを取り囲んだ黒炎が一際激しい火の粉を上げた。
そんな魔王の不気味な視線には気付かぬのか、リタ・メタリカの美しき姫リーヤティアは、その紺碧色の真っ直ぐで強い視線で、ロータスの雅な魔法使いの名を呼んだ。
「スターレット!!」
「!?」
そんな彼女の声に驚愕して、スターレットは一瞬大きく目を見開いた。
同時に、その隙を見逃さなかったゼラキエルの掌から、黒炎を宿した獅子の顔が、牙を向いてスターレットへと解き放たれる。
闇に満たされた空間を二つに引き裂いて、魔の牙を剥き出しにした黒炎の魔獣がスターレットの四肢を引き裂かんと迫り来る。
「なに!?」
次の瞬間、金色と黒が入り混じる激しい閃光がその場で弾け、寸前の所で、スターレットを取り囲んだ金色の結界が炎の獅子を一瞬にして弾き返したのだった。
「おい、何やってんだよ?お前らしくもない」
気付けば、いつの間にやら彼の前方に、朱色の衣を翻し金色の大剣を構えた姿で立っていた長身の青年が、広い肩越しにちらりと、その燃えるような緑玉の瞳で、渋い顔つきをするスターレットを見やっていたのである。
「すまん、ジェスター」
僅かばかり苦笑して、スターレットは、朱色の衣を纏う旧知の友の背中を緩やかに見た。
そんな彼の後方に、鋼の剣を構えたリタ・メタリカの美しき姫リーヤティアが走り込んで来る。
「来てはなりません!リーヤ姫!!」
スターレットの声と同時に、恐れも知らずその場に飛び込んで来たリーヤの周囲を蒼き疾風が取り囲んだ。
彼女の動きを阻んだ疾風の壁の向こうで、艶やかな紺碧の髪を乱舞させて、気強い表情のまま怒ったように彼女は叫んだ。