神在(いず)る大陸の物語【月闇の戦記】<邂逅の書>
鈍い唸りを上げて灰となる魔物のその向こうから、再度違う魔物が豪速で飛来する。
艶やかで美しい赤毛の髪が虚空に乱舞し、迅速で翻るしなやかな手首が魔物の腹を一線で切り裂いた。
レッド・ポセイドンで、初めて彼女の剣技を見た時も度肝を抜かれたが・・・・・
本当に、大陸全土にその名を知らしめる勇壮な女人部隊の剣士だけある・・・・
ウィルタールは、そんな彼女達に敬意を表しながら、いつになく強い表情をして、王族の間に走らんとした・・・
正にその時。
虚空に突然舞い踊った黒い炎が、ウィルタールを目掛け豪速で飛び込んできたのである。
「!?」
びゅうんという鋭い音と共に、リタ・メタリカの姫を抱えた彼の周囲を青い壁が囲った。
それが黒く燃え盛る炎を千々に砕くと、弾けた炎の合間から、黒衣を纏った古の魔法使いが、禍々しくも秀麗なその姿を緩やかに現してくる。
黒衣を纏った肢体に黒炎をたなびかせ、魔法剣士ジェスターと同じ唇に薄く不気味な笑みを刻む。
黒炎の合間で揺れる深い藍の長い髪、爛々と輝く冷酷でありながら、しかし見る者を虜にするような美しい緑玉の両眼。
「小僧・・・【鍵】を我が手に渡すがいい・・・・さすれば、そなたの命だけは助けてやろう」
ジェスターの声とよく似た魔王の声が、まるで嘲るようにウィルタールにそう言った。
「ゼラキエル!?だ、だ誰が魔物なんかと取引きするか!!!」
僅かばかり上ずった声でそう叫ぶと、ウィルタールは青い壁の中でしっかりとリーヤの体を抱きしめて青い瞳を煌かせた。
そして、ゼラキエル向かってその片手をかざしたのである。
大きく息を吸い込んで、彼は、決死の覚悟で呪文と呼ばれる古の言語を口にした。
「『煌く雷(いかずち)天より来たりて空を裂け!静寂に轟く雷鳴は崇高な刃となり闇を貫く!ギメルダーレト(雷光刃)』!!」
どぉぉんという轟音が広間中に轟き渡った。
艶やかで美しい赤毛の髪が虚空に乱舞し、迅速で翻るしなやかな手首が魔物の腹を一線で切り裂いた。
レッド・ポセイドンで、初めて彼女の剣技を見た時も度肝を抜かれたが・・・・・
本当に、大陸全土にその名を知らしめる勇壮な女人部隊の剣士だけある・・・・
ウィルタールは、そんな彼女達に敬意を表しながら、いつになく強い表情をして、王族の間に走らんとした・・・
正にその時。
虚空に突然舞い踊った黒い炎が、ウィルタールを目掛け豪速で飛び込んできたのである。
「!?」
びゅうんという鋭い音と共に、リタ・メタリカの姫を抱えた彼の周囲を青い壁が囲った。
それが黒く燃え盛る炎を千々に砕くと、弾けた炎の合間から、黒衣を纏った古の魔法使いが、禍々しくも秀麗なその姿を緩やかに現してくる。
黒衣を纏った肢体に黒炎をたなびかせ、魔法剣士ジェスターと同じ唇に薄く不気味な笑みを刻む。
黒炎の合間で揺れる深い藍の長い髪、爛々と輝く冷酷でありながら、しかし見る者を虜にするような美しい緑玉の両眼。
「小僧・・・【鍵】を我が手に渡すがいい・・・・さすれば、そなたの命だけは助けてやろう」
ジェスターの声とよく似た魔王の声が、まるで嘲るようにウィルタールにそう言った。
「ゼラキエル!?だ、だ誰が魔物なんかと取引きするか!!!」
僅かばかり上ずった声でそう叫ぶと、ウィルタールは青い壁の中でしっかりとリーヤの体を抱きしめて青い瞳を煌かせた。
そして、ゼラキエル向かってその片手をかざしたのである。
大きく息を吸い込んで、彼は、決死の覚悟で呪文と呼ばれる古の言語を口にした。
「『煌く雷(いかずち)天より来たりて空を裂け!静寂に轟く雷鳴は崇高な刃となり闇を貫く!ギメルダーレト(雷光刃)』!!」
どぉぉんという轟音が広間中に轟き渡った。