神在(いず)る大陸の物語【月闇の戦記】<邂逅の書>
虚空に蒼い輝きが舞い上がり、そこから幾筋幾筋も降り下りてくる鋭利な雷光の切っ先が、まるで研ぎ澄まされた槍のようにゼラキエルの頭上を貫き通さんとする。
次第に膨れ上がる激しい雷光の煌きが、何故か薄笑いを浮かべる魔王の体を急速に飲み込んでいく。
ウィルタールは、あどけない顔を厳(いかめ)しく歪めながら、その青い瞳を、自ら放った術の眩い輝きに思わず細めた。
緩やかに、轟く轟音が収まり始め、乱舞した雷(いかずち)の閃光がその光を失い始めた頃、ウィルタールが、ふとゼラキエルのいたはずの場所に視線をやると、すでにそこに闇の魔法使いの姿はない。
「やった・・・か?」
細めた瞳を、一瞬、静かな歓喜で満たした時・・・・・そんな彼の耳元に低い声が掠め通ったのである。
「流石に、ロータスの弟子だ・・・・誉めてやる、だがその程度では私を滅せまい」
「!?」
驚愕に両眼を見開いて振り返ろうとしたウィルタールの首に、突然、蛇のようにのたうつ黒炎が二重に巻きついた。
黒い火の粉を上げる炎の縄が、急激に彼の気道を締め上げていく。
「うあっ!!」
気付けば、あの闇の魔法使いが眼前に立ち、その禍々しくも美しい緑玉の両眼で、苦悶に満たされていく彼の顔を嘲笑うように眺めているではないか。
息が詰まる。
声が出せない。
「・・・・・・っ!」
リーヤを抱えていた腕から力が抜けていく、緩やかに腕から滑り落ちていく彼女のしなやかな体に、ゼラキエルの差し伸べる黒く長い爪が迫った。
「くぅ・・・・リ、リー・・・ヤ・・・姫っ!!」
その次の瞬間だった。
にわかに青白い閃光が、淀み始めたウィルタールの眼前で迅速に翻ったのである。
「・・・・・・!?」
次第に膨れ上がる激しい雷光の煌きが、何故か薄笑いを浮かべる魔王の体を急速に飲み込んでいく。
ウィルタールは、あどけない顔を厳(いかめ)しく歪めながら、その青い瞳を、自ら放った術の眩い輝きに思わず細めた。
緩やかに、轟く轟音が収まり始め、乱舞した雷(いかずち)の閃光がその光を失い始めた頃、ウィルタールが、ふとゼラキエルのいたはずの場所に視線をやると、すでにそこに闇の魔法使いの姿はない。
「やった・・・か?」
細めた瞳を、一瞬、静かな歓喜で満たした時・・・・・そんな彼の耳元に低い声が掠め通ったのである。
「流石に、ロータスの弟子だ・・・・誉めてやる、だがその程度では私を滅せまい」
「!?」
驚愕に両眼を見開いて振り返ろうとしたウィルタールの首に、突然、蛇のようにのたうつ黒炎が二重に巻きついた。
黒い火の粉を上げる炎の縄が、急激に彼の気道を締め上げていく。
「うあっ!!」
気付けば、あの闇の魔法使いが眼前に立ち、その禍々しくも美しい緑玉の両眼で、苦悶に満たされていく彼の顔を嘲笑うように眺めているではないか。
息が詰まる。
声が出せない。
「・・・・・・っ!」
リーヤを抱えていた腕から力が抜けていく、緩やかに腕から滑り落ちていく彼女のしなやかな体に、ゼラキエルの差し伸べる黒く長い爪が迫った。
「くぅ・・・・リ、リー・・・ヤ・・・姫っ!!」
その次の瞬間だった。
にわかに青白い閃光が、淀み始めたウィルタールの眼前で迅速に翻ったのである。
「・・・・・・!?」