全てを愛して
彼女には、何か深い事情があるんだろうか。
一人暮らしを7年って、15歳だよな・・・
もしかして県外から来たのか??
よくわからないが、しまったという顔をした彼女に、あまり聞くわけにもいかない。
でも、なんか放っておけない・・・
猛「ねぇ、心愛ちゃん。」
「何ですか??」
猛「時間がある時で良いんだけど、また一緒にごはん食べない??心愛ちゃんと食べると楽しいし、何より何でも美味しく感じるんだ。」
「・・・桜木さん、お忙しいでしょ??」
猛「まぁ・・・でも時間作るくらいいくらでも出来るから。一食しか食べないなんて聞いたら心配になっちゃうよ。」
「・・・実は私・・・一人で食事できないんです。」
猛「え??」
「昔・・・・少しツラい思いをしてたことがあって・・・誰かがいないと食べれないんです。」
そう悲しそうに笑っていた。
猛「・・ツラいことって??」
「・・・いろいろです。」
きっと、出逢ったばっかりのやつに話ような内容じゃないんだろう。
でも人をたくさん見てきた俺にはわかる。
この子は、人が経験しなくても良いことを経験している。
猛「ねぇ、またごはん行こ??」
「私暫く夜勤と日勤続くので、少し厳しいかもしれません。」
猛「えっ、日勤と夜勤じゃ寝る時間ないんじゃないの??」
「そうですねー・・・まぁいつものことなので。今日はヘルプでホテル行きましたけど、夜まで休みなのって滅多にないんですよ。」
猛「・・体大丈夫??」
「・・ふふ、大丈夫ですよ。」
その笑った顔は、何故か無理をしてるように感じた。
猛「・・・無理するなよ??」
「え??」
猛「俺の前では、疲れたら疲れた顔して良いし、食べたい時は食べたら良い。な??」
「・・・」
猛「ごはん・・・誘うからさ・・・行けたら行こうな。」
この子は放っておけない。
守りたい。
出逢った時間じゃないんだな・・・
出逢った瞬間から君が好きだ。