全てを愛して
「ここで話すと誰かに聞かれますから、移動しましょうか。朝までやってるバーがあるので、そこに行きましょう。」
俺がマネージャーだと確定しているようで、そこから無言で歩き始めた。
バーに着くと、個室に案内された。
谷「申し遅れました、私THREEDAYSチーフマネージャーの谷中と申します・・・私が来るのをわかっていたようですね??」
「ご丁寧にありがとうございます・・・そろそろだろうなと思ってましたから・・・ボトル出して下さい。」
「かしこまりました。」
谷「それは何故ですか??」
「・・・・前にも同じことがありましたから・・・」
谷「なるほど・・・芸能人と付き合うのは初めてではないのですね??」
「えぇ・・・まぁ・・・でも、桜木さんとはお付き合いしてませんよ??」
付き合ってない??
谷「・・・またまた・・・」
手の早い猛さんが何もしてないわけ・・・
あぁ、なるほど。
谷「なるほど、体だけの関係ということでしょうか??」
「結城様お待たせ致しました。」
「ありがとうございます。適当にやるので、あとは大丈夫です。何か欲しいとき呼びますね??」
「かしこまりました。」
「あ、ウイスキー飲めます??」
谷「えぇ。」
「割ります??水とソーダありますけど。」
谷「ソーダで。」
「ソーダですね・・・・・・どうぞ。」
谷「手慣れてますね。」
「えぇ、ここには一人でしか来ませんけど、接待とかよくありますからね。」
そう言いながら、自分の分はストレートで用意していた。
谷「・・・ストレートですか・・・」
「・・・仕事で・・・下がいろいろやらかしちゃって、後処理大変で・・・飲まなきゃやってられないです・・・そうだ、質問に答えなきゃいけませんね・・私達・・・」
ピリリリリ
谷「どうぞ出てください。」
「・・・桜木さんですよ??」
谷「こんな夜中に??」
「仕事が終わって帰るところだって、社を出たときメールしましたから・・・もしもし??」
[心愛??]
「お疲れ様です。寝てたんじゃない??」
[ううん、作詞の締切近いから考えてた・・・帰り道??]
「あぁー・・・ううん、少しバーで飲んでて・・・」
[・・・一人で??]
「一人じゃない。」
[誰??]
「えっと・・・」
[・・・男じゃないよね??こんな時間に男と飲んでたら俺乗り込むけど・・・]
「んー・・・男性は男性だけど・・・ちょっと違うっていうか・・・」
[何それ??お客さん??]
「ううん・・・今さっき初めて会ったけど・・・」
[はぁ!?ナンパ!?]
「いやいやナンパじゃなくて・・・」
チラチラと俺の顔を見ている。
なるほど、誰といるのか聞かれているのか・・・