全てを愛して

「ここで話すと誰かに聞かれますから、移動しましょうか。朝までやってるバーがあるので、そこに行きましょう。」

俺がマネージャーだと確定しているようで、そこから無言で歩き始めた。

バーに着くと、個室に案内された。

谷「申し遅れました、私THREEDAYSチーフマネージャーの谷中と申します・・・私が来るのをわかっていたようですね??」

「ご丁寧にありがとうございます・・・そろそろだろうなと思ってましたから・・・ボトル出して下さい。」

「かしこまりました。」

谷「それは何故ですか??」

「・・・・前にも同じことがありましたから・・・」

谷「なるほど・・・芸能人と付き合うのは初めてではないのですね??」

「えぇ・・・まぁ・・・でも、桜木さんとはお付き合いしてませんよ??」

付き合ってない??

谷「・・・またまた・・・」

手の早い猛さんが何もしてないわけ・・・

あぁ、なるほど。

谷「なるほど、体だけの関係ということでしょうか??」

「結城様お待たせ致しました。」

「ありがとうございます。適当にやるので、あとは大丈夫です。何か欲しいとき呼びますね??」

「かしこまりました。」

「あ、ウイスキー飲めます??」

谷「えぇ。」

「割ります??水とソーダありますけど。」

谷「ソーダで。」

「ソーダですね・・・・・・どうぞ。」

谷「手慣れてますね。」

「えぇ、ここには一人でしか来ませんけど、接待とかよくありますからね。」

そう言いながら、自分の分はストレートで用意していた。

谷「・・・ストレートですか・・・」

「・・・仕事で・・・下がいろいろやらかしちゃって、後処理大変で・・・飲まなきゃやってられないです・・・そうだ、質問に答えなきゃいけませんね・・私達・・・」

ピリリリリ

谷「どうぞ出てください。」

「・・・桜木さんですよ??」

谷「こんな夜中に??」

「仕事が終わって帰るところだって、社を出たときメールしましたから・・・もしもし??」

[心愛??]

「お疲れ様です。寝てたんじゃない??」

[ううん、作詞の締切近いから考えてた・・・帰り道??]

「あぁー・・・ううん、少しバーで飲んでて・・・」

[・・・一人で??]

「一人じゃない。」

[誰??]

「えっと・・・」

[・・・男じゃないよね??こんな時間に男と飲んでたら俺乗り込むけど・・・]

「んー・・・男性は男性だけど・・・ちょっと違うっていうか・・・」

[何それ??お客さん??]

「ううん・・・今さっき初めて会ったけど・・・」

[はぁ!?ナンパ!?]

「いやいやナンパじゃなくて・・・」

チラチラと俺の顔を見ている。

なるほど、誰といるのか聞かれているのか・・・
< 21 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop