全てを愛して

谷「貸してください・・・谷中です。」

[!!・・・お前・・・何してんだよ!!何で心愛と一緒にいるんだよ!!]

谷「マネージャーとして・・・彼女がどういう人物なのか調べる必要があります。最近の貴方はコソコソと出かけていますからね、おかしいと思いまして調べました。」

[はっ・・・そんなもん俺の自由だろうが!!]

谷「自由??貴方は背負っているものは、一般人とは違います。何がスキャンダルに繋がるかわかりません。貴方だけの問題で済むならどれだけ遊んでいただいても構いませんが、バント活動に支障が出るようでは困ります。」

[・・・俺は遊びで彼女と会ってるわけじゃ・・]

谷「尚のことです。彼女から付き合ってないと聞きましたが、体だけの関係なのですか??」

[かっ!!おま・・お前それ彼女にも聞いたんじゃ・・・]

谷「聞きましたよ。質問に答えてもらおうとしたところ、貴方から電話がかかってきたんです。」

[バッカヤロー!!!してねーよ!!]

谷「・・・・は??」

[この際だから言うけど、確かに両想いなんだけど、事情があって付き合ってはないんだよ・・・彼女とは普通に飯行ったり、家で映画見てるだけなんだ・・・頼むからやめてくれよそういうの・・・]

なんと・・・

猛さんは意外とヘタレ??

「・・・すいませーん、新しいボトル下さい。」

谷「!!えっ、もう飲んだんですか??」

半分くらい入っていたはずだが・・・

「え??はい。今日は本当飲まないとやってられないぐらい凄いストレスで・・・。」

[おい谷中、彼女飲んでるのか??]

谷「だいぶ・・・さっきからウイスキーをストレートで水のように飲んでます。」

[・・・彼女、持病があるんだ。その辺でやめさせてくれ。]

谷「持病??」

[あぁ、なんていうか・・・理由はわからないんだけど、自分自身を疎かにしている部分がある。まるで、自分を壊そうとしているように見える。放っておけないんだよ。彼女は俺が守りたい・・・お前がもし反対するならそれでもいい。でも・・・彼女は今までの女とは絶対違う。それはお前も感じるはずだから・・・]

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本当にそうだった。


今までの女と来たら、マネージャーは雑用か何かだと思ってるのか、コーヒー買ってこいだの、邪魔だの言われて腹立つことだらけだったが、彼女は会えば会うほど良いところが出てくる。

最初に会ってから、猛さんがコソコソ出掛けることはなくなり、俺が送迎をするようになった。

その度に彼女は

「お疲れ様です。これ、よかったら飲んでください。」

そう言って、お茶やコーヒーを渡してくれる。

「谷中さん、少し隈がありますね・・・そうだ、これ効くんですよ。」

そう言ってホットアイマスクをくれたり・・

気遣い、優しさに溢れていた。

でも、自分に対しては本当に無頓着で、猛さんが言っていたように、放っておけない感じがした。

そこに恋愛感情はないが、妹のような・・・

そんな感覚だ。
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