全てを愛して


季節は春。

コンサートを二週間前に控え、今日は仕事と称して事務所に心愛を呼び、俺達3人はプライベートを満喫していた。

「俊ちゃん、幸ちゃん、お土産~。」

俊「サンキュー。どこ行ってたんだよ??」

「日帰りで広島でございます。」

幸「日帰り!?きっつ!!」

「お客さんがどうしても現場を見てほしいって言うからねー・・・仕方なくだよ。その日の夜には別の仕事入ってたし本当ギリギリだった。」

猛「全く、体調優れないのに無茶ばっかして・・・」

頭を撫でてやると、大人しくすり寄ってきた。

可愛い・・・

「あっ、そうだこれは谷中さんに渡しといてくれる??」

紙袋を受け取り、中身を見るとお菓子のようだった。


「広島名物みたいなんだけど、頼まれたの。」

俊「わかった、渡しとくな。」

「ありがと。」


心愛は随分慣れたようで、知らない間に二人とも飯に行くまでになったらしい。

良いことだな。

「そうだ、ちょっと3人に話しとかないといけないことがあって・・・」

少し言い出しにくそうな表情をしていた。

猛「ん??」

俊「どうしたんだよ。困ったことでもあったか??」

幸「何でもどんと話してごらん??」

「ん・・・実はさ、幼馴染み達に3人と仲良くしてるのバレちゃったかもしれなくて・・・・」

猛「幼馴染みって前言ってた7歳上の??」

「うん。」

俊「バレちゃまずいの??マスコミ関連??」

「ううん、マスコミは大丈夫なんだけど・・・なんていうか・・・ね・・・」

猛「そいや、前にかかってきた時叫んでたよなー。ちょっと過剰な愛を感じたわ。」

「そうだね・・悪い人達じゃないんだけど。」

幸「でも何でバレちゃったの??」

「昨日ね・・・」

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次の日に備えて仕事を早く切り上げ、寄り道もしないで帰宅した。

玄関の扉を開くと見慣れた靴が二足あり、2、3日来てなかった幼馴染みが来ているんだと気付いた。

「ただいまー。」

「「おかえり。」」

テレビも付けないで、二人は仕事着のままソファーに座っていた。

「え、着替えもしてないじゃん。どうしたの??」

いつもなら、どちらかが食事の用意をして、どちらかが掃除をしている。

凌「うん、ちょっと話があんだけど・・・」

「仕事の話??」

凌「プライベート。」

「なに??」

凌「お前・・・THREEDAYSの3人とどういう関係だ??」

「!!・・・どうして・・・」

凌「一昨日、お前が早く帰った日・・・・最近コソコソしてっからあとつけた。」

「あとつけたって・・・」

瞬「最近コソコソしてるからな、お前に彼氏ができたのかと思ってどんなやつか気になったんだ・・・で、迎えに来た男見て驚いたんだ。THREEDAYSのマネージャーの谷中さんだった。」

凌「最初谷中さんが彼氏かと思ったけど、もしかしたらそっちじゃなくてメンバーなんじゃないかと思って・・・・」

「ハァー・・・ねぇ、二人ともストーカーなの??勘弁してよね・・」

凌「お前・・・芸能人とは仕事以外で知り合いにならないようにしてたよな・・・俺らも芸能人とのプライベートな付き合いは絶対に反対だ。もうお前が傷付くところ見たくないからだよ・・・わかるよな??」

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「そこから必死に誤魔化したけど、誤魔化されてるかわからなくて・・・」

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