全てを愛して
寒い寒い冬の日、俺はいつもなら自宅に帰るのに、スタジオを出たのが遅かったのもあって、事務所がとったホテルに泊まることにした。

俊「おい猛、お前ホテル行くんだって??珍しいじゃねーか。」

コイツは、バンドメンバーの高杉俊樹。

幸「ちょっとちょっとー、女の子連れ込むんじゃないのー??」

コイツが、坂野幸也

俺らは三人グループで"THREEDAYS"というバンドを組んでいる。

デビュー15年

デビュー早々ヒット曲に恵まれ、15年経っても忙しい日々を送ってる。


全員同じ中学を出て、その中学からずっと一緒にバンド活動をしてきた、苦楽を共にした親友、戦友でもある。

三人がリードボーカルをとることができ、俺はベース、俊樹と幸ちゃんがギター。

あとドラムとかキーボードとかはサポートメンバーとしているが、THREEDAYSとしては3人だ。

猛「連れ込まねーよ、そんな気分じゃないですー。」

俊「珍しいな。何かあったか??」

俊樹も幸ちゃんも、いつも俺を弄ってくるけど、それは大半が優しさだってわかってる。

猛「何もねーけど・・・なんか・・・今日は違う気がして。」

幸「ふーん。そんな珍しいことして、明日はなんかとんでもないことでも起きるんじゃないの。」

俊「あっはっは、あるかもなー。幸ちゃんってこういうの当たるもんな。」

猛「こえーこと言うなよ。じゃあまた明日な。俊樹お前ちゃんと時間通りに来いよ??幸ちゃんおやすみ。」

俊「何で俺だけ・・」

「「お前は遅刻魔だからだよ!!」」

俊「はい・・・」

まったく。

それからマネージャーが車をまわし、俺はホテルで一夜を明かした。

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