黒王子に恋をして。
「……その顔、俺以外の前で禁止。」

「えっ!なんで!?」

「悪い虫がよってくる。」

「今春だからまだまだ虫出てこないよ??」





そう答えると吹き出して爆笑する梓くん。

私の返答のなにがおかしかったのか分からない。





「そっちの虫じゃねぇよ(笑)ま、俺が守るから安心しとけ」

「う、うんっ...!」





梓くんはいつもいつも私に甘い言葉をくれる。

例えるならば苺ショートケーキよりも甘い甘い言葉。

私はいつか、その甘い言葉に落ちてしまうんじゃないかっていつもいつも思っている。









そんな甘い言葉に落ちる日はそう遅くはなかった。
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