夏色の初恋を君にあげる
そしていよいよやってきた土曜日。
朝から学校で模試だというのに、ずっとそわそわしているのは、由良くんの大会があるからだ。
どうか由良くんがケガなく、思う存分力を発揮できますように――。
心の中でそう祈り、
「それでは試験開始」
先生の号令とともに私はテスト用紙を裏返し、シャープペンを手に取った。
由良くんが頑張っているのだから私も頑張らないと、と意気込んで取りかかったテストは、いつもよりも手応えがあった。
すべての試験が終わる頃には、教室全体に長丁場による疲労の空気が漂っていた。
「ふう、終わったー……」
「お疲れ、凛子」
「お疲れさま~。今日の古典難しかったね」
「ほんとほんと! 全然分からなかった」