女を思い出す時
「どうぞ。」

背中を押されて 玄関に入れられた。

「あ・・・・」

父親は玄関の鍵を閉めた。
その音が あまりにも響いて心臓が鳴った。

え?

振り向くと さっきまでのにこやかな顔が
私の事をなめまわすように じろじろ見た。

怖い 嘘でしょ?

足が震えた。

「あ 帰ります」

慌てて戻ろとする私を抱き上げて ドアを開けた。

「おろして!!」

家の中はめちゃくちゃだった。
あきらかに 部屋の中で何かがあった

翔に何かがあった!?

「ここじゃ よくないな。」
暴れる私を抱えたまま もう一枚のドアを開けた。

翔の制服が ボロボロに切り刻まれている。

「うそ 翔に何したの?」

翔の部屋なのは すぐにわかった。

男は 私をベッドの上に転がした。

「いい女と楽しんでるな アイツ。」

「やめて!!」

暴れる私の足が 男の腹に命中してひるんだすきに
逃げ出そうとしたけど 
殴られてそのまままた ベッドに押し倒された。

翔の匂いがした。

「いつもお愉しみだった
ここで 違う男に抱かれるのってどんな気持ち?」

「え?何言ってるの?
頭おかしいの?翔は?翔はどうしたの?」

必死に抵抗する。

「このガキ 静かにしろや。」

男が顔面を頭突きした瞬間 気が遠くなった。
生臭い暖かいものが顔に流れて行く





助けて 翔!!!

最初は出ていた声が 最後はもう声にならなかった。


翔といつか いつかここで
一つになれる日が来るはずだった・・・・
翔の匂いのするベッド

翔の香りだけが救いだった。
抵抗できなくなった私はもう このままどうか
気を失わせて欲しいと遠くなる意識の中で
そう願っていた。

最後に目に入ったのは 二人で笑ってる写真だった。

翔・・・・・
翔は 大丈夫?
私は・・・・ごめん もうダメだ・・・・・。

失いかけた気を痛みが襲って来た。

「痛い!!」

「おっと処女か?いただきました~」

地獄のような時間だった
そして私は 気を失った。

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