女を思い出す時
あれから 何が起きたのか
鈍い体中の痛みで目が覚めた。

真っ白い天井
生きてる?
やだ またあの男にやられる

「助けて~~助けて~~~!!」
弱弱しいけど声が出た。

「どうしました!?」
飛び込んできたのは 看護師だった。

「助けて え?どこ?」

優しく抱きしめられて

「病院ですよ 安心して 
もう大丈夫だから。」

「病院?」
体の力が一気に抜けて看護師にもたれかかった。

「大丈夫 もう大丈夫
眠りなさい。何かったらすぐに来るから。」

優しい声だった 
そのまままた私は 眠りについたようだった。

「何てこと・・・・」

うっすらと目を開けると母親の顔が見えた。

「犯されたなんて 人に知られたら・・・
傷ものじゃない・・・・。」

「バカ娘が・・・こんな警察沙汰になって。」
父親の声もした。

今 目ざめるのはやめよう
悲しいけどこの人達は 私を心配してくれてない。

世間体の事ばかり考えている。

翔は・・・・
翔はどうしてるんだろう・・・・・
私はどうして ここにいるんだろう・・・・

目を開けて聞きたい事がたくさんあったけど
この人たちと会話する気にはなれなかった。

「娘さんが目覚めたら事情を聴きたいんですけど。」
違う声がした。

「あまり表ざたにしたくないんだよ。
娘の将来もあるし・・・・。」

「それはわかりますけど
事件になってしまってるので・・・・。」

「マスコミにそれがうちの娘だなんて
知られたら・・・・はぁ・・・まったく。」

悲しい
私の体の心配すらしてくれないんだ。

なんの道具なの?
あのまま死ねばよかったのに
これからそんな目で見られて生きていくの?

体中の倦怠感以上に 股がものすごく痛かった。

くるみが言ってた。
初めての時はとても痛いって・・・・
二三日違和感でね

好きな人と結ばれたくるみは 幸せそうに
その話をしていたけど

私にはさっきの悪夢を現実に感じる証拠だった。


翔がもしもしこれを知ったら
私は避けられてしまうのかな・・・・・・

まさかこんな形で大切なものを失うとは
そしてもっともっと大切なものを私は失っていく。
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