女を思い出す時
わかってたけど やっぱりショックだった。

翔は翔で人生を歩いている。
結婚してたのか・・・・・・。


部屋の向かいのランドリーコーナーを
掃除していると
パンプスの甲高い音が聞こえて
振り向くとあの女性が歩いてきていた。

泣いてたけど
悪い病気じゃなかったのかな。

じきに治るって言ってたし・・・・。


部屋のドアを開けて
「おはよう~」
明るい声がして 静かにドアが閉まっていった。


私だって結婚してるもの
翔が結婚してることに 何落ち込んでるのか。

翔が幸せでいてくれたならそれが一番だと
喜んであげないと
だけど複雑な気持ちになっている。


再会して 二人の間に
何か始まるわけでもないのに・・・・・。


何か期待してた自分が 滑稽だった。


ただあんなに人生かけて愛してる人が
このお腹の中にあの人の子供がいたと思えば

こんな再会って 神様も意地悪なんだなって。


翔との思い出が 翔への気持ちが溢れだす。
一方的な想いが悲しく哀れで

みじめに思えた。


私だけが引きずって暮らしていたのかな。

迷惑そうな翔の様子が 悲しかった。


「バカ 何期待してんだか。」


抱きしめてでももらえると思ったのか。


パパ・・・・・
見たでしょ・・・・?
お顔がよくわからなかったね。
ママのこと迷惑だったみたいだったね。


浮かれて女を思い出した自分が
たまらなく恥ずかしかった。
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