女を思い出す時
「パパ帰りどうなの?最近。」

真美がお土産のケーキを冷蔵庫に
入れながら聞いてきた。

「ん?まぁ忙しそうよ。
明日は気分転換でゴルフらしいけどね。」

錬に絵本を見せながらそう答えた。

「そういえばまささんと
何かあったの?
この前 なんかちょっとアレ?って
思ったんだけど。」


そうだった。
仲良し父娘なのに ちょっとギスギス
してたような気がしていた。

「親子だもん たまには
言いたい事言うわよ。」


「そうね。親子だもん、遠慮はいらないもんね。」


「のんママはパパに遠慮しすぎよ。
もっと怒ってやらないといい気になるわ。」


「いい気にって。」
おかしくて笑ってしまった。

「のんママはパパの奥さんよ。
言ってやればいいのよ。」

「そうね。今度は言うわ。」

「言わないだろうね
だから私が言ってやるの。
私はのんママに責任があるんだもん。」

「責任?」

「私が熱望したからパパと結婚したんでしょ?」

「またその話?
違うよ。私もママになりたかったんだよ。」

後ろから真美が私を抱きしめた。

「え?何?」

振り返った錬もキョトンとしてる。


「恋して結婚して子供産んで
いろいろわかって来た事あるよ・・・・。
のんママは女として幸せだったのかなって。」


その愛しい手を握り締める。

「女じゃなくても人間として
幸せだったよ。
真美と一緒に生活できて・・・・・。」


「のんママはさ・・・・・
好きな人いたの?」


真美の言葉に握った手が止まった。


「娘じゃなくて同じ人間として・・・・
女として聞いてるの。」

「ママ アメヨ・・・・
バァバ レンノ・・・アメヨ。」

錬の純真無垢な声に我に返った。


真美と目が合って 爆笑。


女としてもう子供は産めなかったけど
真美が私にこの幸せをくれたんだよ。


「真美がいてくれたら私は幸せだよ。」

真美が私をまた力いっぱい抱きしめてくれた。
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