桜の木に寄り添う

二人だけの秘密

「次は雑貨屋に行きたい!!」
 私達はあれからいろんなお店巡りをした。

「ちょっと、疲れた……。カフェ行こう」

「えー。でもカフェもいいね!行こう」

 すごくお洒落なカフェを見つけた。

 アイスティーとアイスカフェラテを頼んだ。

「カフェもお洒落だね。私達が住んでるところとは全然違う」

「まあな」

「もうすぐコウちゃん達くるかなー」

「先にマンション行ってるって連絡あった」

「そっか!じゃ早く戻らなきゃね!」




 マンションに戻って部屋に入ると、コウちゃんとさっきの女の子がいた。

「おかえり!」

「おにぃ、遅い!」

「お前なんでいるんだよ」

「あれ、彼女?」

「いや、友達」

「だろうね。おにぃのタイプじゃないしー」

 女の子は感じ悪くこっちを見ている。

「あ、こいつ妹のリリカ」

「どうも」

 少し睨まれたような気がした。嫌われたかな。
 場を和ませるように、コウちゃんが言った。

「じゃ、もう今から飲んじゃおう!デリバリー頼んだし、なつ買い出し手伝って!」

「わかった」

 コウちゃんと私は外に出た。

「なつ、気にしたらだめよ。リリカは、ああいう子だから」

「気にしてないから、大丈夫」

「なつ、荷物整理してたら、見つけたんだけど」

 あの嫌がらせのメモだった。

「いつから?」

「少し前から。お店のドアに挟まってて。でも、誰にも言わないで。コウちゃんと私の秘密にして。」

「いいけど。あまりひどいようならすぐに言いなさい」

「うん。ありがとう」


 コウちゃんありがとう。
 他の人には言えない。二人だけの秘密。

 負けたくない気持ちで一杯だった。
 こんな手紙。すぐ犯人もやめるだろう。そう思っていた。
 どうして、私ばかりがこんな目に。心の中がモヤモヤしていて仕方なかった。

 しばらく話をして、部屋に戻ると、もうリリカちゃんは、いなくなっていた。
< 42 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop