身ごもり政略結婚
お義母さまの声が想像以上に弾んでいて、笑みがこぼれる。
最初は不安だったものの、こうして喜んでもらえると安心する。
『元気な男の子を産むのよ。女の子じゃダメ。後継ぎがいるんだから男の子をお願いね』
えっ……。
そんな。自由自在に産み分けられるわけではないし、もうお腹の子はどちらか決まっているのに。
唖然として目が泳ぐ。
もちろん、お義母さまだってわかっているはずだけど、後継ぎへの期待が大きすぎるのだろう。
でも、プレッシャーでしかない。
私は元気に産まれてくれば性別なんてどちらでもいいのに。
「結衣?」
私が黙りこくっていると、大雅さんが首を傾げる。
彼も男の子でないと困るのだろうか。
「それはわかりませんが……」
言葉を濁したけれど、お義母さんは食い下がる。
『さっきね、早速近くの神社に安産祈願してきたの。元気な男の子が産まれますようにって願ってきたから、大丈夫よ』