身ごもり政略結婚
悪気がないことはわかっている。
しかし体調も良くなく、精神的にも不安定な今、この言葉はきつい。
「ありがとう、ございます」
大雅さんもこの子の誕産を心待ちにしてくれていると思っていたけれど、やはり後継ぎが欲しいだけ?
男の子じゃなかったら、がっかりするの?
彼に問いただしたいのに、とても聞けない。
『男の子でないと困る』なんて万が一にも言われたら、どうしていいかわからない。
しかも、男の子だったとしても、大雅さんのように優秀でなかったら……。
瞬時によくないことばかり頭をよぎり、顔が険しくなりそうでうつむいた。
すると大雅さんは私の手からスマホを奪っていく。
「ごめん。やっぱり体調悪そうだから切る。落ちついたらまた」
そして一方的に電話を切ってしまった。
そのあと彼は、私の目をまっすぐに見つめて口を開く。
「なにか余計なことを言われた?」
「違います。喜んでいただけてうれしかったです」