身ごもり政略結婚

「血を吐いたのは嘔吐しすぎだからよ。とりあえず点滴で水分や栄養、あとはビタミンなんかを入れるわね。体重、結構減ってるわね。一週間でどれくらい減ったの?」

「三キロ近いかと」


みるみるうちに減って自分でも驚いていた。


「ちょっと減りすぎね。今日はこのまま入院しましょう」
「入院?」


大きな声をあげたのは、険しい顔をしている大雅さんだ。

私も点滴が終われば帰れると思っていた。


「妊娠悪阻って侮れないのよ。もっと進むと赤ちゃんも危ない。初めての妊娠だと、どの程度のつわりがひどいかなんてわからないものね。でも、今の須藤さん、結構重症よ」


先生の言う通り、どの程度で危険なのかなんてわからない。

でも、赤ちゃんがいなくなるのだけは避けたい。


「それと、精神的にも参ってるわよね。いつ終わるかわからないつわりとずっと闘って不安でいっぱい。おまけに赤ちゃんは大丈夫なのかといつも気遣って……。病院なら慣れたスタッフが話を聞くこともできるし、少し心も休めなさい」
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