身ごもり政略結婚
よくよく考えたら不安だらけだ。
しばらくなにも言えないでいると、彼は私の髪を撫でだした。
「ごめんな。俺、ホルモンのバランスとかよくわからなくて。つわりの苦しさ以外にもなにかある?」
「いえ。つわりがつらすぎて、ちょっと変になってました。自分の体が自分のものじゃないみたいで。いつ終わるのかばかリ考えて、でも翌日もっとひどくなっていると絶望して……。そんなことの繰り返し」
つわりについては彼も目の当たりにしている。
今さら隠すことでもないと打ち明けた。
「そうだよな。最初と比べてもひどくなってるもんな」
まるで自分のことのように顔をゆがめる彼に慌てる。
「仕方がないことだとわかっています。赤ちゃんが産まれてきてくれるなら乗り越えたい。でも……」
『ひとりだと余計につらいの。そばにいて』と言いたかったが、口を閉ざした。
大雅さんが一緒にいてくれると、つわりもいくぶんか楽になる。