身ごもり政略結婚

「聞き間違いか、詐欺でしょ?」


今までなんの接点もないんだし。急に援助なんておかしい。


「いや、今度の定休日に会いたいとおっしゃっている」
「はっ?」


急展開に驚き、今度は私が大きな声を出してしまった。


「お父さん、それ絶対詐欺だから」


オレオレ詐欺はよく聞くが、最近はこんな詐欺まであるんだ。
うちの財産なんてすっからかんなのに。


私はバカらしくなって再び夕食の準備を続けた。


「それが、そうでもないんだ。こちらの内情をよく知っている様子で、秋色がすごくよかったとまで言われた。エール・ダンジュで今後和菓子の展開を考えていて、千歳の和菓子を使いたいと」


普段口数が多くない父が興奮気味にペラペラ話している。

千歳の存続の可能性が出てきて、藁にもすがりたい状況なのだと感じた。


けれど新作の秋色を知っているということは、最近来店したお客さまの中に関係者がいたの?
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