身ごもり政略結婚
全部気分が悪くなる私のため?
つわりが苦しすぎて、そんな配慮をしてくれていることに気づけなかった。
彼はなにも言わないけれど、私を大切にしてくれていたのだ。
政略結婚だからと一線を引いていたのは私のほうだったかもしれない。
そしていよいよアルカンシエでのプレゼンテーション当日を迎えた。
「実は、お父さんに今日来ていただけないかと打診したんだ。俺も営業担当も、まだまだ和菓子の知識が乏しい。間違った情報が伝わったら困るから、その場で訂正してほしいって」
そうだったのか。知らなかった。
「お父さん、行くって言っていますか?」
「いや、断られた。店もあるし、職人は黙って和菓子を作ればいいんだって。なんかかっこよかったけど」
「すみません……」
だから潰れそうになったのよ。
まあ、父のそういうところは嫌いじゃないけど。