身ごもり政略結婚

大雅さんの発言に合わせて、一斉に葛まんじゅうが配られる。

お願い。商品のよさで千歳を選んで!

そう強く願いながら、皆が食べ進む様子を眺めていた。


「これは斬新ですね。のど越しはいいし甘すぎなくていい。それなのに、たしかに和菓子だ」


八坂社長が感嘆のため息を漏らすと、他の人たちもうなずいている。

気に入ってもらえた?


「こちら商品のように、お客さまの好みに合わせてチョイスしていただけるように、バリエーションを増やすつもりです。いずれは、お子さま向けのかわいらしい商品も開発していきたいと思っております」


大雅さんのプレゼンは完璧だった。
最後まで間違いなどなく、千歳の魅力を十分すぎるほど伝えてくれて感動しているくらいだ。

彼が仕事をしているところを初めて目の当たりにしたけれど、最高にかっこよかった。


けれども……プレゼンが終わったあとすぐに赤池さんが彼のところに寄っていったのが見えてしまい、どうしても顔が険しくなる。
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