身ごもり政略結婚
翌日。
大雅さんは「今日は遅くなる」と告げて出社していった。
私は彼のうしろ姿を絶望的な気持ちで見送り、ずっと臥せっていた。
すると、お義母さんから電話が入った。
『もしもし、結衣さん? 元気にしてる?』
「はい。なかなか顔を出せずにすみません」
何度も実家に招かれているが、体調が安定しないので先延ばしにしてもらっている。
『それはいいのよ。ね、検診そろそろよね』
「……はい」
四カ月検診の前にも何度か電話があったが、それと同じ言葉を繰り返される。
『男の子だとわかったら、すぐに連絡ちょうだいね。さすがに五カ月ならわかるでしょ?』
『男の子だとわかったら』って……。
もう男の子に決定しているようなことを言われて顔をしかめる。
確率は半々なのに。
元気に育っていればそれでいいのに。
「わからないこともあるようですし……」
苦し紛れの返事をすると、『わかるわよ』という無責任な返事が来て、ため息が出そうになった。