身ごもり政略結婚
それから少し話をして電話を切ったが、ますます気持ちがふさぐ。
「楽しみにしてくれているんだから。悪気はないの」
声に出して自分を慰める。
男の子とせっつかれるのがこれほどプレッシャーだとは、きっとお義母さんは気づいていない。
ただ、それだけ。
どうやら大雅さんは結婚を頑なに拒んでいたようだし、それが一転結婚して子供も授かったのだから、期待して当然だ。
何度もそう考えて自分の気持ちを鎮めようとしたけれどうまくいかず、目に涙を浮かべた。
その夜。大雅さんは二十二時半くらいに帰宅した。
もしかして帰ってこないのではないかと覚悟していたので、ホッと胸を撫で下ろす。
けれど、泊まらなくてもそういう関係は持てると考えてしまう自分が嫌だ。
「遅くなってごめん。顔色が悪いな」
彼はベッドで横になっていた私のところに歩み寄り顔をのぞきこむ。
そして心配げに眉根を寄せながら、私の髪を優しく撫でた。