身ごもり政略結婚

それから持ってきてくれた桃餡の葛まんじゅうは、大雅さんがおいしそうに食べていたものだ。

それを思い出してまた泣きそうになったけれど、ぐっとこらえた。


私はこの子のママになるの。
もっと強くならなくては。

もし、須藤の家を出ることになってもひとりでこの子を育ててみせる。

そうやって自分にカツを入れたものの、つらくないわけがない。


政略結婚だとしても、大雅さんに添い遂げようと思っていた。
恋愛結婚とは違っても、きっと私たちなりの幸せがあると。

でも、やっぱりダメなのかな。


父は店が忙しくなってしまい戻っていったものの、布団を敷いてくれた。

お言葉に甘えて今日はここに泊まろう。
あのマンションにいると、どうしても涙がこぼれる。

そう考えて目を閉じると、いつの間にか眠っていた。
< 204 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop